「虹」の漢字に「虫」がつく理由

こんにちは。

教室長の衛本です。

 

最近は、日中は汗ばむほどに暖かい日が続いていますね。

 

今日は、ちょっとした雑学を紹介したいと思います。

「虹」の漢字に「虫」がつく理由についてです。

 

「虹(にじ)」は、雨上がりの空に見えるきれいな大気光学現象です。日本では赤・橙・黄・緑・青・藍・紫の七色に見えると言われています。

 

そんなきれいな「虹」の漢字には「虫」が使われています。実は「虹」についている虫へんは「昆虫」のことではありません。虫へんがつく漢字には、昆虫以外の蛙(かえる)や蝦(えび)、蛸(たこ)、蜆(しじみ)、蛤(はまぐり)などがあります。

これらの漢字が表すように、虫へんは昆虫ではない「水辺の生き物」を表す場合にも使用されます。「虫」という字はもともと中国の漢字ですが、日本に伝来した時には「昆虫」のことではなく、「蛇(へび)」のことを表す漢字だでした。

中国ではヘビはジメジメしたところに生息し、雨が降ると現れると考えられていました。そのような理由で「虫」の字はヘビのような「水辺の生き物」に使われました。では「虹」とはどのような水辺の生き物を表しているのでしょうか。

それは「竜(りゅう)」です。中国では虹を竜の一種と見なす風習があります。また、中国では竜は水辺に住んでいると考えられており、「虹」の漢字の「虫」は「竜」を表しています。その一方で「虹」のつくりの「工」は「コウ」の音を表現したものです。

中国では「虹」は「コウ」と呼ばれ、同じ音の「工」が選ばれました。このように「意味と音」で作られる漢字は「形声文字」と呼ばれています。また「工」の字は、その形から見て取れるように「天と地をつなぐ」という意味もあります。